電気講義ー01

電気とは

エネルギーの伝達手段

まず電気の目的の一つとしてエネルギーの伝達が挙げられる。エネルギーとは機械を動かしたり、照明を光らせたり、音を鳴らしたりするその源となる要素のことだ。

エネルギーは人間でいうところの飯みたいなことか。飯食ったら元気になるからな!

その通り。
そのエネルギーに電気を使うことで、効率よく、長距離のエネルギー伝達が可能なんだ。
電気の原理は研究は1800年代から始まった。1831年には発電技術の基礎となる「電磁誘導の法則」がイギリスのマイケル・ファラデーにより発見され、そこから電気のエネルギー利用の実用化が加速することになる。

電気が使われる以前は何をエネルギーとしていたんだ?

電気の前にエネルギーとして利用されていたものは蒸気だ。蒸気機関は1698年にイギリス人発明家トマス・セイヴァリにより発明され、電気にとって代わられるまで、 様々な機械の動力源として蒸気が利用されていたんだ。 代表的なものは蒸気機関車や蒸気ポンプ、蒸気船とかだな。

蒸気は熱くて危険だから、扱うのがムズいんだな。 それに大量の蒸気を長距離送るのは配管とかがでかくなりそうだ。

だからこそ電気の登場は革命的なことだった。電気がエネルギーとして実用化されたことは第二次産業革命と呼ばれる。ちなみに蒸気機関の登場が第一次産業革命な。
電気を使うことで発電所で大量にエネルギーを作ってそれを各家庭に分配するという効率的なエネルギーシステムが可能になった。

蒸気配管に比べて電線は細くて軽いからな。電気は扱いやすいから機械の小型化も進んだということか。

その通り。ざっくり言うと電気は小さくて速い。そんな電気の構成要素については次の章で説明するよ。


電気の構成要素

いったい電気ってどんなモノなんだ?雷で光ってるやつか?

確かに雷は電気の代表的な現象だ。ただ目に見えているものは電気エネルギーが光として放出されたものであるから、正確には電気ではない。電気エネルギーの利用後の姿ってこと。

照明と同じってことか。

電気とは原子や分子のプラスマイナスのバランスが崩れた状態のこと。原子は陽子と中性子からなる原子核の周りに電子がグルグル回っているような構造になているっていうのは常識だよね。陽子は+の電気、電子は−の電気を持っているから、通常の原子はプラスマイナスゼロの状態なんだ。ただ特殊な状況下では陽子と電子のバランスが崩れてプラスマイナスがゼロではなくなることがある。それが電気なんだ。

電気にはプラスマイナスがあるということは分かった。だけど、それがどうエネルギーの伝達と結びつくんだ?

さっき「特殊な状況下ではプラスマイナスが生じる」って言ったけどそこがポイント。 その特殊な状況って言うのが、原子にエネルギーが与えられた状況ってことだ。一度原子にエネルギーを与えて、あえてその特殊な状況を作り出すのが発電という作業だ。発電所は基本的には、回転エネルギーをそのプラスマイナスの電気に変換するものなんだ。水力発電では水車、風力発電所では風車、火力発電所ではタービンの回転エネルギーが変換される。

確かに発電所は何かしらが回っているな。なんでそんなに回す必要があるんだ?

さっき説明したけど、「電磁誘導の法則」っていうものが発電技術の基本の原理だ。 電気講義-03で詳しく説明するが、電磁誘導現象と回転運動というのは相性が良い。回転運動により電磁誘導現象を起こしやすい。そして電磁誘導により発電しやすいということだ。

まだよく分からないけど、「電磁誘導の法則」っていうのが重要なんだな!

そうなんだ。「電磁誘導の法則」が運動エネルギーを電気エネルギーに変換する原理なんだ。
電気の構成要素の説明に戻るけど、原子には陽子、中性子、電子の3つの要素がある。陽子は+、電子は−、中性子はプラスマイナスゼロの要素だ。そして電子はその3つの中で1番軽いから、1番どこかに飛んで行きやすいし、その飛んでいった電子がどこかの原子に付着しやすい。だから電子が何個飛んでいったか、または何個余分に付着したかがどのくらいプラスまたはマイナスかを決める。

オッケー!電子が1個余分に付着したら−1、1個飛んでいったら+1ってことだな!

考え方はあってるが、そんなに単純じゃない。エネルギーという観点から電子1個の電気量は\(-0.0000000000000001602[C]=\)\(-1.602\times10^{-19}[C]\)って定義されている。電気の量は正式には電荷という。単位の[C]はクーロンって呼ぶ。静電気力を発見した物理学者シャルル=オーギュスタン・ド・クーロンの名前からとってるんだ。

自分の名前が単位になるっていうのは憧れるね!俺もいつか単位になりたいものだ。
それでそれがどうエネルギーに結びつくんだ?!

まず「原子や分子はエネルギーを得ることで電気を帯びた状態になる」そして「その電気を帯びた状態の原子や分子を機械まで運ぶ」そして「機械で電気を光や動力や音に変換する」というのが電気のエネルギー利用の流れだ。
その原理は今後の講義で説明してくよ。


自然界の電気

雷は電気の代表的な現象っていうのはどういうことなんだ?

自然界には電気が関わる現象がいくつか存在しているが雷もその1つだ。
せっかくだからここでは雷の発生原理について簡単に説明するよ。

いいね!身近なところから電気を知っていきたいぜ!

雷の発生の流れを簡単に説明すると、雲の中で電荷が発生→地面と雲の間の電圧上昇→空気が絶縁破壊→雲から地面に放電→空気中の分子のエネルギー状態が上昇→上昇したエネルギーを光と音として放出という流れだ。

まずは、雲の中で電荷が発生するメカニズムについて。雲は水蒸気が上空で冷やされて水霧となって浮いているものというのは知っているよな。水霧はさらに気流に乗って上昇すると、気温が下がり氷の粒になる。そのまま上昇すると粒が大きくなるが、大きくなり過ぎると上昇気流の浮力よりも重力が勝り、落下する。その落下の際、上昇する氷の粒と擦れ合い、摩擦により静電気を帯びる。その静電気により、雲の上部と下部に電荷が生じるんだ。

なるほど、電気発生の原理は静電気か!下敷きを頭に擦って髪の毛を立たせるのと一緒だな。俺はドレッドヘアーだから立たねえけど。

このようにして雲の下部に静電気が溜まり過ぎると、耐えきれなくなり、雲から空気中に放出される。つまりエネルギーの放出だ。すると空気中の気体分子はエネルギーを得て電荷を得て、次の分子にその電荷を受け渡す。そして、それが雲から地面まで連鎖し、雷が落ちた状態となるんだ。

雲に溜まった静電気を空気中の分子がリレーして地面まで到達するってことか。空気中の分子は電荷(静電気)を受け取って近くの他の分子に受け渡すってことを地面まで繰り返すんだな。

その通り。その分子が電荷を受け取って、受け渡す。言い換えると、エネルギーを得て、放出する。その放出の際にエネルギーが光と音として放出されるんだ。

なるほど!雷は危なくて怖いから、身構えていたが、原理はシンプルなんだな。

今回は大まかな原理を伝えたが、実は雷ではもっといろんな現象が起きている。プラズマというのがキーワードだが、今後また詳しく説明するよ。

プラズマか。かっこええやん!
ところで雷のせいで停電とか火事とか起きるけどなんとかならないのか?

たしかに雷による電気機器や建物への被害は重大な問題だ。だからこそ、電気設備の一種として「雷保護設備」がある。簡単に言うと、避雷針で建物の保護、避雷器で電気機器の保護をしている。送電線では架空地線というもので雷から電線を守っている。詳しくは次の講義(電気講義-02)で説明するよ。

電気講義ー02

建築における電気設備の種類

一般的な電気設備

一般的な建築物における電気設備の種類を説明していくよ。大きな分類として「強電」「弱電」という種類がある。
強電は電気をエネルギーとして利用する設備だ。照明、コンセント、ポンプやファン(動力設備)が該当する。
弱電は電気を情報伝送の手段として利用する設備だ。

電気の用途はエネルギーの伝送だけじゃないのね。情報伝送のための弱電は電話とかインターネットとかか。あれも電気機器だもんな。

その通り。弱電設備は電話とかインターネットだけではない。テレビ、放送設備、警報設備、自動火災報知器設備、監視カメラ、電気錠、制御関係等も当てはまる。電気を用いて何かしらの情報を受信/送信する設備は全て弱電だ。

たくさんあるんだね。最近のIT技術の発展に伴って、今後さらに複雑になりそうだな。


照明設備

照明設備は電気エネルギーを光という形で利用する設備である。


動力設備とコンセント設備

電源を各設備に利用できるように送電する設備として動力設備とコンセント設備がある。その2つの設備の違いは電力の形態である。


電気講義ー03

電磁気学の基礎


電荷

電荷とは電気量を表す数であり単位はクーロン[C]。


静電気学

電荷が存在するとその周りには力が働く。それを電場という。